鬼気迫る「ダメ出し」

コーラス・シティでは、練習のたびに「ダメ出し」というのをしているそうです。ポン太は公開稽古で1回しか見ていませんが、レベルアップの秘訣のようですので、少しご紹介しましょう。

どんなもの?

稽古中も問題のあるところは指摘して改めますが、それは主に演出家の仕事です。たぶん何処の劇団でも同じでしょう。

ダメ出し」は稽古が一段落したところで、気付いたところを一括して指摘するものです。シティでは、演出の藤本氏、振付の原氏、美術の星埜氏が順番に発言し、それぞれの立場から気付いたことを指摘していました。演技の矢野氏は欠席だったようです。

とにかく厳しい!

中身はとにかく厳しいです。まず口調・・・有無を言わせぬ断定的な指摘で、文句は機関銃のように出てきます。ダメな点を出していくので、褒め言葉もなく、とにかくボロボロに言われます。

つぎに指名・・・「こういう人がいます」とか「全体的にこうでした」ではなくて、誰れ其れがどのシーンでどうだったと具体的に指摘します。よく隅々まで見ているなと思うほどに、濃い中身でした。

そして中身・・・声が出ていない、合ってない、ハケが遅い、などなど演出の立場から指摘がありました。続いて、ダンスのチグハグなどが振付から指摘されましたが、ここまではポン太も何となく気が付いた点でした。

しかし美術の立場は厳しいです。着ている衣裳や身につけるアクセサリーへの研究や配慮ができていないとの指摘が出ました。その時代時代に合った服装、髪形のほか、黒人・白人女性の演じ分けなどが必要だとのことでした。本場では大分改善されてました。

「評論家もどき」として

とにかく「ダメ出し」は勉強になります。日頃からレポートを書いている身でありながら、「これまで見落としてきた観点がたくさんあったな」と感じています。少しは今後のレポートに役立てたいですね。

しかし冷静に考えると、どこの劇団も同じほど真剣に「ダメ出し」をしているでしょうか。そうであれば、ポン太がコメントするような初歩的なアラやミスは減少しているはずです。

たしかに個性的な劇団を多々見掛けますが、ウラを返すと独善的であると言えます。演出家さんも出演者の方々も、他劇団の作品を観に行って研究されることをお奨めします。できれば同じ小劇場系を、ね!

とはいえ、独善的で困った批評文を書いているポン太も問題です。できれば読者のみなさまの意見を採り入れて品質向上に努力したく思います。ぜひぜひコメントをお寄せ下さいね。