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ミュージカル作品紹介(第59回)
My Dream 〜夢があるから!〜
■劇  団 劇団スイセイ・ミュージカル
■鑑 賞 日 平成11年2月11日(木) マチネ
■劇 場 名 西新井文化センター(西新井)
■料  金 全席指定�,500円(前売料金)

■製作総指揮 西田 直木    ■脚本・演出 忠の仁
■作曲・音楽監督 八幡 茂
■振付・ステージング 山田 卓,関根 玲子
■美  術 野村 真紀     ■衣  裳 宇野 善子
■照  明 高山 晴彦     ■音  響 小幡 亨
■歌唱指導 大場 公之     ■舞台監督 原田 修司
■芸術監督 桑山 正道     ■S  V 中川 久美
■制  作 石井 早苗,金澤 秀則,長谷川 崇
キ ャ ス ト
玖実     (今  陽子)   晃      (川野 太郎)
佳美     (朝倉 未稀)   ケン     (荒巻  正)
スザンヌ   (山下 清美)   大海原朱里江 (藤森 裕美)
玖実の父   (佐山 陽規)   クミ     (隅田 亜矢)
                           ほか多数
ス ト ー リ ー
 NYでミュージカルのステージを踏むことを目指して集った玖実佳美ケンの四人の日本人たち。名門スクールのジュリアードでも有色人種の差別は激しく、スザンヌたちの妨害もあって機会を掴めない。ある日、公演中に転落事故を起こした晃が帰国。晃の誘いで女優の道を諦め、玖美は日本へ移った。残る二人も加わって、四人はTV番組のスタッフを担当することになった
 玖美をミュージカルの世界に導いたのはNYで企業戦士の父。14歳の誕生日にチケットを贈られて見た作品に感動した玖美は、父の反対を振り切ってまで進んできた。悩む玖美の前に現れるのは14歳当時のクミ、彼女はあの日の感動とこれからの希望を語って玖美を励ますのだったが・・・
コ メ ン ト
シナリオ 中川の体験談をアレンジして作られたという本作。筋立ては明解ですが、多少くどいところが目立っています。今回も脚本・忠の仁なのに、下手な駄洒落は一切無く、完成度はアップしていました。
キャスト ダンスも歌もバランスが取れた素晴らしいキャストでした。アンサンブルもまずまずです。
ナンバー 虹のかけ橋」「異邦人のように」「夢があるから」「ウエディング・デイ」がお奨めです。そして佐山が二度唱う「アメリカン・ドリーム」も迫力があります。全体にパワーがあるナンバーが揃います
ステージ 両脇に二階ステージがあり、スイセイ特有の可動式階段が二基使われます。可動式階段を使っての雰囲気の切り替えは絶妙です。玖美の部屋を表現した小部屋のセットはやや雑然としすぎていますが、効果をよく考えています。
演 技 力 隅田川野藤森朝倉山下の順かと思いますが、優劣を付け難いです。荒巻は若干飛び跳ねすぎるのが気になりました(もうすぐ40歳だそうですが、そう見えないほど若い演技が上手です)。隅田は昨年加わったばかりですが、演技が堂に入っています、有望株です。
歌 唱 力 朝倉の重量感あるボリュームには感動です。後半はとくに全開という感じで盛り上がります。佐山の迫ってくるような歌い方も好きに成りました。は、隅田とのコーラスを除くとパッとしませんでした。
ダ ン ス モダンダンスがメインで、若干ジャズ系・クラシック系が混じった感じでしょうか。ダンスシーンは少な目ですが、結構楽しめます。ラインダンスはもう少し派手でも良かったかも、と思います。
総合評価 スイセイのオリジナルとしては5作目です。初演の今日は、忠の仁も見掛けました。実在人物を扱ったため内容的に濃い仕上がりでしたが、纏まりは良かったと思います。今後の新作にも期待します。
気になったのは二点。玖美役をが演じるのは少しミスマッチではないか? 玖美の前に立ちはだかる大根女優・大海原の話は、あまりに毒々しいので、薄めないと観劇後の後味が悪くなるのではないでしょうか? 再演の際はご検討ください(あ、これから全国リレー公演か・・)。

蛇足>その後シナリオには大幅に手が入り、玖美は1人で演じたり、対決シーンが増えたりとレベルアップしたそうです。演出家が初演に来ていたのは、チェックの意味合いもあったのですな。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団スイセイ・ミュージカル
 事務所/神奈川県川崎市多摩区布田21−3   Tel:
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