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ミュージカル作品紹介(第98回)
チェンナムの夢
■劇  団 ミクロコスモス
■鑑 賞 日 平成11年8月1日(日) ソワレ
■劇 場 名 きゅりあん大ホール(大井町)
■料  金 全席指定,000円(前売料金)

■脚本・演出 犬石 隆     ■総 監 督 森田 守恒
■振  付 森田 守恒,小川 こういち
■音楽監督 山口 e也
■編  曲 玉麻 尚一,高木 茂治
■作  曲 山口 秀也,玉麻 尚一,金子 貢
■作  詞 犬石 隆,玉麻 尚一,森田 等
■声楽指導 岡崎 亮子     ■美  術 斎木 信太郎
■照  明 山田 茂      ■衣  裳 合田 瀧秀
■音  響 実吉 英一     ■舞台監督 斎木 信太郎
■制  作 児玉 佳樹,森田 等,小川 こういち
キ ャ ス ト
チェンナム  (名塚 佳織)   チャム    (小山 菜穂)
クーリー   (近藤久美絵)   ナンプー   (山城 結布)
ロンチュー  (桝川 譲治)   モーリン   (三浦丘美子)
タオ     (高橋 広司)   ソニア    (坪井美奈子)
                           ほか多数
ス ト ー リ ー
 チャムは昔軍属を務めていたが、チェンナムに出会って人生観が変わり、同僚クーリーとともに部隊から脱走した過去があった。彼女たちはチェンナムの村を目指したが、すでに村は焼かれ、チェンナムも射殺され、クーリーは記憶を無くしてしまった。
 戦争は終わったが、食うに困ったチャムは、ロンチューの紹介でモーリンが母代わりを務める戦争孤児の集落へ入れられた。孤児たちは商売で日銭を稼ぎ、ロンチューたちに上前をはねられていたが、身を寄せ合った生きていた。その中にはクーリーたち仲間の姿もあった。
 ロンチューは大金を稼ぐため孤児の一人ソニアを身売りさせようと目論むが、手下タオがソニアを逃がしてしまい・・・。
コ メ ン ト
シナリオ テーマとしては、非常に興味があります。しかしロンチューをもう少し脇へ除けるべきだと感じました。主役がチェンナムである以上、チャム達が行動を共にするようなったシーンをもう少し膨らませて欲しいです。
キャスト とにかくアンサンブルが多すぎます。子供ミュージカルの例にもれず、10歳前後の子供が入っていますが、舞台で生きてきません。また二幕で、アンサンブルが埋没しているのが残念です。
ナンバー けがれなき笑顔で」「森の歌」が輪唱を交えた綺麗なナンバーです。子供達が交互に芸を披露する「商売!商売!」も楽しい出来です。6人でナンバーを作っているところもミソですね。
ステージ 丸太を適当に組み上げたようなバラックのイメージがシンプルです。派手なネオンなどの演出はありますが、まずまずでしょう。
子供達の衣裳は、現代の日本人そのままで、東南アジアという舞台設定について考証されていません。全員裸足というのもいいのですが、顔と手を除いて清潔すぎるのが気になるところです。
演 技 力 名塚は一般公募の中2生。アルゴで経験を積んだ彼女は、年齢の割に度胸があり、大人の演技を見せます。小山は太めをチャーミングポイントにして面白いです。逆に近藤は細身すぎで、演技でも甘さが目立ち、ややバランスを欠きます。全体に目線指導が行き届いていました。
坪井高橋は、少ない大人俳優ながらリード不足に感じました。
歌 唱 力 コーラスはパート分けが良く、響きも計算されています。しかしソロが物足りません。名塚は音符を追う感じの厚み不足ですから、今後の頑張りに期待します。坪井は伸びがあるものの、裏声で無理が出ています。
ダ ン ス 商売!商売!」のダンスは楽しいですが、他シーンでの見せ場は少ないです。「怒り」でのインストルメンタルも楽しい打楽器ダンスでした。
総合評価 全体的にキャストの力不足が惜しまれます。桝川と演技派の3人が浮いてしまうほど、アンサンブルが多すぎるのが難点でしょう。もう少し平均年齢を引き上げ、人数を2割ほど削るだけで完成度は高まると思います。再演に期待します。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
ミクロコスモス
 事務所/東京都渋谷区猿楽町10−14   Tel:
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