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ミュージカル作品紹介(第104回)
上海ラプソディ
■劇  団 劇団アルミ館
■鑑 賞 日 平成11年8月21日(土) マチネ
■劇 場 名 野方区民ホール(野方)
■料  金 全席自由�,500円(前売料金)

■作・演出 柏倉 敏之     ■音  楽 大橋 恵
キ ャ ス ト
ローズ    (加来 陽子)             ほか多数
※チラシ・プログラムの用意が無かったので、キャスティングが全く不明
ス ト ー リ ー
 満州で食い詰めた父親に売られたローズは、優しい養父母に育てられた。しかし日本軍による戦線拡大に巻き込まれて流浪することになり、上海の貿易商人リーの愛人となった。ようやく芸人一座を率いる身となったローズだったが、日本軍に一層取り入ろうとするリーから、少佐の籠絡を命じられるのだった。
 そこへ国民党軍兵士として、生き別れの弟が接触してきた。さらに日本の特務機関員で自称殺人マシーンのヒラサカも絡んでくるのだった。心揺れるローズは、ヒラサカとの行きずりの恋に夢中になった。
コ メ ン ト
シナリオ 登場人物が多すぎて見えてこないシナリオです。中途半端に中国語を使ったり、華人なまりの日本語を使わせるのもマイナスです。オリジナルであるので、もう少し日本と中国の関係などをキャストに語らせる工夫などをしてほしいです。この中身で120分以上の作品は長すぎます。
キャスト 今ひとつ個性付けの不足したキャストでした。細切れのシナリオが悪いわけですが、雑技団や一座の女性達の行動には中身が無く冗長に感じられました。
ナンバー いずれもパッとしないものばかりでした。オープニングとエンディングに歌われるテーマソングも冴えません。全体にメロディが綺麗ながら、平べったい印象のナンバーでした。歌い手を意識していないかも知れません。
ステージ コ字状の二階ステージに、可動式の階段を付け替えてシーン換えを演出していましたが、今ひとつ訴える点が見えません。小道具はチマチマと多く、意味を為しません。とりあえずオリジナル性を買っての◎です。
演 技 力 加来の演技はやや脱力感を感じるものの、まずまずです。ヒラサカ役は力みすぎで、やや大根の雰囲気でした。役は上手いようでしたが見せ場が少なかったですね。共産党の工作員役も印象が残らない感じでした。
歌 唱 力 加来はいい声をしていますが、ナンバーが冴えないことと、無理の掛かるナンバーもあって及第点ギリギリです。役も良い声でしたがワンフレーズのみで惜しまれます。
ダ ン ス 動きが少なく、ぎこちない感じでした。とくにオープニングの集団ダンスがサッパリです。雑技団の怪しい踊りと大道芸は笑えましたが、ダンスと呼べるかどうか・・・。
総合評価 貧民窟・雑技団・仮面舞踏会・モーニングと冗長な細切れシーンが目立ちました。ナンバーもダンスも今ひとつで問題が多い作品でした。バンドがステージと客席の間に広々と空間を占有していましたが、少ない客席はギュウギュウでした。しかも立ち見が10人を越えてからも当日券を売るスタッフには呆れてしまいました。
チラシさえも配らない不手際も問題に感じます。本作は1,500円でも高いと感じる水準でした。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
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