前回へ  ホームへ  次回へ
ミュージカル作品紹介(第147回)
三 つ の お 願 い
■劇  団 劇団クラーナ
■鑑 賞 日 平成12年3月19日(日) マチネ
■劇 場 名 東京芸術劇場小ホール2(池袋)
■料  金 全席指定�,000円(前売料金)

■脚  本 涌井 充子      演  出 高橋 亜湖
■構  成 樫本 三香,秋山 真理子
振  付 秋山 真理子,中江 ゆう子
音  響 長柄 篤弘,笠井 玲子
■照  明 今泉 柳隆      ■舞台監督・美術 南 雅之
衣  裳 クラーナ衣裳部
キ ャ ス ト
天使ゼラフィム(みさき 麗)   アンドレア  (麻央 真衣)
ケヴィン   (真城  仁)   マイキー   (なつめ舞花)
ポーラ    (城月 美優)   キューピッド (浅香ひとみ)
サマンサ   (睦月 杏菜)   サム     (和々美 友)
天使ミキャエル(友希  晃)               ほか
ス ト ー リ ー
 製薬会社の研究員ケヴィンたちは、アフリカン・クラブの記念パーティで盛り上がっていた。そこへ現れたマイキーは、新しく研究員に採用されたと自己紹介するのだが、ケヴィンとソリが合わない。何処かしら似たところが互いの気に障るらしい。かつては恋人だった若社長アンドレアの考えが分からず、ケヴィンはイライラ。
 そこへ唐突に、ケヴィンの死が訪れた。新・アークエンジェルズと称する怪しげな天使たちが出現し、人違いだったと詫びる彼らは・・・お詫びに「3つの願い」を叶えてくれるという。生き返ったケヴィンは、深い考えもなく、早々と2つの願いを口にしてしまう。そして命と引き替えだという、3つ目の願いも・・・。
コ メ ン ト
シナリオ お約束的なストーリーですが、会話がよく練られていて、面白いストーリーでした。四人の天使に、きちんと個性付けしたところなど、芸が細かいです。キャラを含めたネーミングも見事です。伏線の設定はやや甘く、先の展開が見えやすいのが少し残念でした。
キャスト 全て女性というコンセプトを守り抜いています。メークは派手目ですが、男役はそれなりに男風に見えるように頑張っています。アクトレス・オンリーでもここまで徹底できると素晴らしいと思います。
ナンバー 幸せを祈ろう…」「辛い事 生きていれば…」が響きの良いナンバーでした。全体にテンポの良いものが多かったのですが、シンガーに限界の見えるものがありました。
ステージ 概ねシンプルなステージで、小道具も最小限という仕上がりです。衣裳は派手なものが目立ち、豪華絢爛という印象です。客席通路を積極的に使ってもいました。
演 技 力 真城のサバサバした男役ぶりは秀逸です。すっかり成り切れている貫禄を感じます。みさきは上級天使であるものの、オトボケに徹していました。和々美も味がありました。
本質的な意味での女優は、麻央が目立ち、浅香のお茶目ぶりも良かったと思います。
歌 唱 力 コーラスとしては綺麗な調和が出ますが、ソロでは苦しいものが目立ちました。男役が男声で徹するのはみさきを除いて難しいようで、ナンバーにもう少し工夫があるべきではないでしょうか。
ダ ン ス 個人では麻城なつめのダンスが優れています。動きが鋭く、ポーズも良く決まります。とくに「THE DRUM」での動きは見事でした。全体としてはチグハグな場面が目立ちました。ショータイムも今回はやや物足りませんでした。
総合評価 際だって素晴らしいと言えない出来映えでした。2年前の作品に比べると少しトーンダウンに感じました。クラーナの公演も20作目と言うことで演出は見事で、役者度胸もあるようです。少し公演スパンが開いてきていることがパワーダウンの原因になっているのかも知れませんね。頑張って下さい。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団クラーナ
前回へ  ホームへ  次回へ