前回へ  ホームへ  次回へ
ミュージカル作品紹介(第153回)
ボーイフレンド
■劇  団 劇団クレッシェンド
■鑑 賞 日 平成12年4月30日(日) マチネ
■劇 場 名 東京芸術劇場・小ホール(池袋)
■料  金 全席自由�,000円(前売料金)

■原  作 ロンドン・ミュージカル「Boy Friend
 脚本・作詞・作曲:サンディ・ウィルソン
■演出・翻訳・美術 前山 宏和  ■訳  詞 田廻 弘志
■振  付 福田 晶子      ■タップ振付 江口 祥子
■衣  裳 内田 絵子,兼田 将治,石渡 綾子
■歌唱指導 三浦 志保      ■照  明 篠原 久美子
■音  響 高橋 秀雄      ■舞台監督 埴生 志朗
キ ャ ス ト
トニー    (和田 哲監)   ポリー    (足立原江美)
デュポネ   (三浦 志保)   ポリー父   (金井  節)
トニー父   (神田  剛)   オルタンス  (永原あやの)
ボビー    (木村 雅彦)   メイジー  (小鍛冶さおり)
給仕     (篠原  豊)             ほか多数
ス ト ー リ ー
#N代のニース。マダム・デュポネの経営する花嫁修業学校の女学生たちは、夜の舞踏会に心を騒がせていた。彼女たちの興味は、舞踏会の衣裳とボーイフレンドだったが、ポリーは1人楽しめない。厳格な父ブラウンに育てられ奥手な彼女は、ボーイフレンドを作れずにいたのだった。
 そこへメッセンジャーボーイのトニーが現れ、互いに一目惚れをしてしまう。トニーは英国貴族の跡取りだったが身分を伏せ、ポリーも大富豪の娘であることを伏せ、二人でつましい生活を誓い合うのだった。しかし浜辺近くのデートで、トニーは突然に逃げ出して・・・。
コ メ ン ト
シナリオ ロンドンで初演され、その後ブロードウェイ上演・映画化もされた作品だそうです。ストーリーはシンプルですが、それだけにキャストの質を問われる難しい作品でしょう。残念ながら、平たい印象が拭えませんでした。
細かい話ですが、トニーの母親が「あの男を捕まえて」と叫ぶシーンがありました。自分の息子を呼ぶにしては不自然さが目立ちました。
キャスト タップダンスは高い水準にありますが、芝居と歌唱はあまりパッとしませんでした。
ナンバー 踊ろうよ」「可哀そうなピエレット」「二人でいれば幸せになれる」がお勧めのナンバーです。ただシンガーのパワー不足で、あまり印象に残りません。
ステージ 少し安手が目立つ壁板を使って、海岸近くのホールの雰囲気を出していました。キューピッドやハートマークなど、安直ながら楽しいイメージ投影もありました。両袖に張り出したステージに、2組のテーブルとチェアが用意されていましたが、出しっぱなしにしておく必要性はなかったかも知れません。
衣裳は、女優のものが映え、男優のものは浮きがちでした。音響がまずく、ミュージックは大きめでマイクは小さめでした。集音マイクが会話や歌声を拾い切れていなかったことが残念です。
演 技 力 和田はスマートな演技を見せましたが、相方の足立原が終始ぎこちなく、バランスが悪い印象でした。足立原は表情変化が少な目で、役柄以上に固い雰囲気でした。女学生達やそのボーイフレンド達は、いずれの目線も客席を向くことなく、中途半端な印象でした。見せ場が多いだけに残念です。
女優では永原が存在感のある芝居を見せ、三浦小鍛冶も役柄によく合わせていました。男優では神田篠原が目立ちました。木村も味があります。
歌 唱 力 三浦は音色を綺麗に唱い分けていました。足立原はソロでもデュオでも自信がなさそうな歌い方でした。いずれもパワー不足を感じました。ダブルキャストの夏川小川は良かったと聞いていますが・・・。
和田は良く通る声ですが、1人だけでは印象付きません。とても勿体ないです。
ダ ン ス 小鍛冶のチャールストンは、シンプルで可愛らしく極まっています。衣裳やヘアスタイルも吟味されているようです。
ボーイフレンド」「踊ろうよ」の集団タップは、見応えある素晴らしい出来でした。タンゴもありましたが、少し固すぎて違和感がありました。
総合評価 タップダンスだけで十分に元が取れる作品ではあります。女学生とボーイフレンドを演じる8名が、もう少しパワーアップして欲しいところです。またフランス語が随所に出てきますが、サラッと使って欲しいところです。フランス語の科白になると誰もが一呼吸あけ、変に詰まるので気になります。
海外ではロングランを記録した作品でもあり、訳詞にそう問題も感じませんでしたので、ダンス同様に歌えるキャストを揃えて欲しいです。多分に音響次第という気がしないでもありませんが・・・。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団クレッシェンド
前回へ  ホームへ  次回へ