ミュージカル作品紹介(第342回) | ||||||||||||||||||||||
ハル−マキ(商店街殺人事件) | ||||||||||||||||||||||
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キ ャ ス ト | ||||||||||||||||||||||
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ス ト ー リ ー | ||||||||||||||||||||||
とある駅前商店街。米国一流企業に就職した街一番の秀才、春子が里帰りしてきた。商店街の人々は、「ハル」の愛称で暖かく迎え入れた。しかし母真美子は、健忘症が進み、意味不明な言葉をつぶやくばかり。気立てがいい春子は、そんな母にも優しく接するのだった。。。その夜、真美子の姉山部の古本屋が全焼し、丸焦げの他殺死体が発見された。商店街始まって以来の凶悪事件が発生! 警部柴田は、巡査中村と探偵三姉妹(美枝・芽衣・萌)の協力を得て、捜査を進める。被害者と推認された山部が、ハワイ旅行から帰国して、一騒動。改めて被害者は、春子の双子の妹マキ子と断定された。挙動不審のAV男優中沢、怪しげな外国人デイビット、暗躍する商店街会長・・・容疑者が次々に浮かんでは消えて・・・意外な結末に。 |
コ メ ン ト | ||
シナリオ | ☆ | 商店街の人々を巻き込んで、言葉のキャッチボールで事件解決の糸口を見出していく、秀逸なシナリオです。推理に無理が少なく、可能性を一つずつ潰して真実に近づき、さらにドンデン返しで結末を迎える、良いストーリーでした。濃いキャラクターは面白いものの、諄さが目立ち、難ありです。 |
キャスト | ☆ | 前作から1年以上のブランクがありましたが、演技力は一層磨かれ、細部まで拘りを見せられるキャストが揃っています。歌唱力もアップしたようです。 |
ナンバー | ◎ | ロンドンスタイルを称し、ほとんどの台詞をメロディに載せて唱っていました。ダンスナンバーは多くありましたが、オープニングが圧巻でした。 |
ステージ | ☆ | 商店街セットが、しっかり作り込まれていました。看板や雑貨に至るまで、細部に拘りが感じられます。二階部分に小ステージを設け、バンドを上げてありました。古本屋の焼け落ちセットも、手が込んでいました。 |
演 技 力 | ☆ ☆ |
いずれのキャストも、濃いキャラクターをよく演じています。表情や仕草も工夫があり、集団で動いていても、バリエーションがあり楽しめます。センターで何かを演じていても、サイドやバックで別の芝居を見せるなど、空間を遊ばせない工夫と努力が感じられます。 客演の広野は、表情変化を巧く活かし、演技に緊張感がありました。丸坊主に口ひげで老け役を演じた大樹、中国語擬きを連発して怪人ぶりを発揮した中川、ユニークな惚けぶりを見せた成清、オヤヂ臭が漂うさかい等面白い役者が多くありました。細かい仕草まで女子校生を演じていた茂木も、良い味がありました。 |
歌 唱 力 | ◎ | コーラスになると良いのですが、ソロでは聞き苦しいパートが度々ありました。織田の響きよい声は、秀逸でした。妙に声がはっきり流れるソロがあり、口パクらしいシーンもありました。 台詞を全て唱い繋ぐために、声の厳しくなるキャストもありました。 |
ダ ン ス | ◎ | 集団で動き回るダンスが、ユニークです。とくにシーン1、シーン2は目まぐるしく楽しいです。「オープニング」と「ハワイのさざ波」がユニークでした。ただし、見慣れてくると、単調に感じられるのが、残念です。 大樹が軸となったダンスパートは、面白いものでした。 |
総合評価 | ☆ | 「アメーバの子供達」の連作と比べると、シナリオ運びが素直で分かりやすいです。推理モノの要点である伏線も良く、濃いキャラクターをキャストがしっかり演じているので、見飽きませんでした。公演スパンが長いのが気になりますが、また新しいチャレンジを重ねて欲しいです。 |
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください |
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ア ク セ ス | ||
劇団Nom’b 事務所/東京都新宿区高田馬場4−22−36 Tel: |
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