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ミュージカル作品紹介(第89回)
アリババ千一夜
■劇  団 マガジン
■鑑 賞 日 平成11年7月9日(水) ソワレ
■劇 場 名 アートスフィア(天王洲アイル)
■料  金 一部指定�,000円(前売料金)

■作    船越 英一郎,水口 馨,江守 洋
■演  出 船越 英一郎    ■作詞・作曲 水口 馨
■音楽監督 松本 孝浩     ■振  付 相良 まみ
■アクション 中村 嘉夫    ■美  術 宮原 修一
■照  明 森下 泰      ■音  響 篠塚 忠彦
■舞台監督 川瀬 嘉久     ■制  作 中村 敦子
キ ャ ス ト
アリババ   (宮本 大誠)   シェーラザード(大沢 逸美)
シャルカーン (土屋 貴司)   ドニアザード (宮島 依里)
魔人ライラ  (渡辺  純)   魔人ゼムゼム (高杉  潤)
魔人ザムザム (AKIRA)   カシム    (山崎 崇誉)
ペルシア王  (小林 幸彦)   ワジール   (水口  馨)
ジャミラー  (風間美穂子)             ほか多数
ス ト ー リ ー
 盗賊の宝を発見したアリババは、兄カシムを殺すのと引き替えに魔人ライラを呼び出し、ライラの力で盗賊を皆殺しにして財宝を手に入れた。ところが兄嫁ジャミラーに見つかってため殺したが、代わりに不死身の呪いを掛けられてしまった。アリババは盗賊の財宝を元手に財を成し、ペルシア王に取り入って王女を貰い受け、謀略で王と王位継承者を葬って、自ら王となった。
 しかしジャミラーの呪いによって悪霊たちに憑かれてしまい、王女からも見放された彼は、夜毎に処女を引き込んで翌朝には殺すという気狂いを始めるのだった。シェーラザードはアリババの暗殺を試みたが失敗し、彼の望むままに物語を始めたが、あまりの面白さに王は彼女を殺せずにいた。
コ メ ン ト
シナリオ 原作を断片的にしか知らないので、どこまでオリジナルなのか分かりませんでした。全体的に会話は淡々と進みシナリオは簡潔ながら味気なさも残るものでした。165分は少し長すぎるので序盤の洞窟の話を割愛するのはいかがでしょう。
キャスト 全体にダンスの上手いキャストが集められていました。しかし歌唱にはかなり問題があるように感じました。
ナンバー メロディの綺麗なナンバーが多かったのですが、歌詞が今ひとつでした。演出としてもダンスを売り物であるらしく、歌詞無しのナンバーが目立ちました。
大団円「永遠の記憶」がまずまず、カーテンコール「キャラバンが行く」が物足りませんでした。
ステージ ステージ左側に安普請の玉座があり、右側に砦風の2階ステージが設けられたシンプルなものでした。衣裳は豪華絢爛で、多数の原色系ライトで雰囲気を強調していました。
演 技 力 渡辺の元気な演技が引き立ちます。魔人3人で繰り広げる会話もまずまず楽しい出来でした。宮本大沢はそつなく演じましたが、少し冴えない感じでした。宮本は終幕直前の独白シーンが良かったです。
刀で刺殺するシーンが多かったのですが、効果音のためか間の抜けた演技に見えましたので、工夫をして欲しいです。
歌 唱 力 マイクの入りがずっと悪かったこともあり、歌唱はパッとしませんでした。大沢が目立つ程度でしたが、それでも水準並みとは言えないでしょう。終幕でのコーラスは声が揃わない感じで、残念でした。
ダ ン ス 多数のアンサンブルが登場する割にはパート別に整理されて揃っているように感じました。ダンスはペルシア風で無かったような気がしますが、どうなんでしょう。またダンスのテンポと音楽のテンポがマッチしていなかったので違和感がありました。
渡辺は軽業師並みの派手なアクションを見せますし、ややスローモーながら面白い殺陣を見せてくれます。本作一番の見どころかも知れません。
総合評価 ナンバーのレベルアップと歌唱力の強化に尽きます。あとはマイクの入りを良くしてくれることでしょうか。活動開始から20年という貫禄が出てきているのですが、プロパーの劇団員を育てるスタンスでないのが残念です。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
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