前回へ  ホームへ  次回へ
ミュージカル作品紹介(第168回)
マイ・フェア・レディ[プラハ版]
■劇  団 カルリン・プラハ・オペレッタ劇場
■鑑 賞 日 平成12年7月16日(日) マチネ
■劇 場 名 東京厚生年金会館(新宿御苑)
■料  金 全席指定,000円(前売料金)

■原  案 戯曲「Pygmalion」バーナード・ショウ作
 作詞・脚本:Alan Jay Lerner(アラン・ジェイ・ライナー)
 作  曲:Frederick Loewe(フレデリック・ロウ)

■劇場総裁 Zupanic(ラジスラフ・ジュパニッチ)
■演  出 Novotny(ペトル・ノヴォトニー)
■首席指揮者 Moulik(アルノシュト・モウリーク)
■振  付 Hartmann(ヤン・ハルトマン)
■美  術 Zidek(イーヴォ・ジィーディック)
■衣  裳 Greifova(イレナ・グライフォヴァー)
■音  響 Kosaf(ペトル・コシャール)
■舞台監督 Kolenaty(ヤン・コレナティー)
■合唱指揮 Pluhachova(イレナ・プルハーチコヴァ)
キ ャ ス ト
    イライザ    Ingnova(ペトラ・イングノヴァー)
    ヒギンズ教授  Zupanic(ラジスラフ・ジュパニッチ)
    ピッカリング  Brabec(ウラジミール・ブラベッツ)
    イライザ父   Sloup(ヴァーツラフ・スロウプ)
    ピアース婦人  Peterkova(ヴラスタ・ペテルコヴァー)
    ヒギンズ母   Adamova(ヤラスラヴァ・アダモヴァー)
    フレディ    Oplt(ヨゼフ・オプルト)       ほか
ス ト ー リ ー
 音声学者のヒギンズ教授は、強い訛り言葉を話す花売り娘、イライザに興味を示した。「訛りを直して見せる」と豪語する教授の言葉を真に受けたイライザは、ヒギンズ邸で個人レッスンを受けることになった。怪しげな装置や小道具まで持ち出し、熱心に矯正しようと試みる教授。ピッカリング大佐の優しい言葉もあって、素直に取り組むイライザ。不安げに彼等を見守るピアース以下の使用人たち。
 ついに上流階級の話し方を身につけたイライザは、行儀作法も学んで、立派に舞踏会デビューも果たしたのだった。浮かれる教授と大佐、取り残されるイライザ。耐えかねた彼女は、ヒギンズ邸を飛び出して・・・。
コ メ ン ト
シナリオ 映画の世界とは違う、楽しい空間がありました。プラハ訛(らしい)英語だったので、聞き取りにくいシーンが多くて大変でした。字幕が両サイドというのは読みにくいです。しかし、超訳された字幕だけでも、なかなか愉しめます。
キャスト メインは劇場の主役クラスが投入されているそうなので、演技派です。しかしアンサンブルがかなり頼りなくて、残念です。
ナンバー 一晩中踊れたら」が目玉で、最高です。「君住む街角」も歌い手に支えられて、良かったです。「ショウ・ミー」はある意味楽しいのですけれども・・。
ステージ 重厚で豪華なセットです。中央の階段を基調にして、ヒギンズ邸・下町・舞踏会場などアクセントが付いていました。場面転換がワンパターンであること、衣裳に統一性が見られないこと、少し薄暗いこと、がネックでしょうか。
演 技 力 ユングマノヴァーは度胸ある巧みな演技であり、劇団のプリマに相応しいです。上品な物腰と下町娘のアバズレさの二面性が面白いです。ジュパニッチも貫禄のある演技が冴え、名教授ぶりとボンクラ息子ぶりの二面性を良く演じていました。ブラベッツも息を合わせてあって、上手いです。
サブもよくメインをフォローしており、ベテランの息が感じられます。アンサンブルはステージに上がりすぎで、バラバラのゴテゴテでした。
歌 唱 力 ユングマノヴァーは、文句なしです。「一晩中踊れたら」はカーテンコールで歌い通して欲しかったぐらいでしたが、張りのある力強い歌声でした。オプルトも「君住む街角」で恋心を歌い上げ、はまり役です。
ジュパニッチはメロディに合わない歌い方でしたが、特定の俳優を意識して作曲された関係で、元々難しい曲なのだそうです。
ダ ン ス 社交ダンスと、アンサンブルの群舞がありましたが、特筆するほどにありませんでした。群舞では、あまりにも揃わないのが気になるところですが、これも演出なのでしょうか?
総合評価 日本で初めて上演された、東宝ミュージカル作品であることも肯けます。日本人にも理解しやすく、それでいて感動できる佳作です。メインの見事さもありますが、サブも良くフォローしていました。願わくはアンサンブルの調和に期待させて欲しいです。
ヒギンズ教授には個人的に共感できる部分が多々あり、いろいろ反省もしてみました。ショウらしい上流階級批判が色濃いですが、それが独特の味に成っているのだな、と感じました。
「私のスリッパどこ?」「紅茶一杯」「おいしい」など一部の台詞に日本語を使って、観客サービスしていました。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
光藍社
 事務所/東京都文京区音羽2-10-2   Tel:
 URL/http://www.koransha.com/
前回へ  ホームへ  次回へ