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ミュージカル作品紹介(第223回)
や さ し い 悪 魔
■劇  団 劇団そら天空組
■鑑 賞 日 平成13年5月6日(日) マチネ
■劇 場 名 六行会ホール(新馬場)
■料  金 全席自由�,800円(前売料金)

■脚本・演出・作詞 浅井 星光
■振  付 平山 高良,水口 徳峰,HIDEBOH
■殺陣・武術指導 高家 班,三隅 公伸
■音  響 西田 実      ■照  明 横田 元一郎
■舞台監督 中杉 雄一     ■監  修 浅井 恵子
キ ャ ス ト
天使・領収書 (浅井 星光)   オージ    (佐藤 友一)
YAMA   (山本 光政)   番頭     (谷門 進士)
シスター   (吉原千鶴子)   クエル    (菊地 美雅)
ソノ     (薗田 法拳)   ミキ     (赤木茉紀子)
ニッパ    (木村玲緒奈)   茶目     (斎藤麻衣子)
リンリン   (原口 夏海)   ランラン   (伊東 杏菜)
オトリン   (中村 友美)   ナオコ    (猿谷 英子)
ダイエット  (車田 梨絵)   サスケ    (長谷川理香)
テツヤ    (大野  宏)   少女     (石田 詩織)
                           ほか多数
ス ト ー リ ー
 孤児院で育ったオージは、他人には見えない少女だけが友達だった。彼が長じるに従って、少女の声は聞こえなくなり、彼女を人間にしてやりたいと願うばかりだった。そこへ自称天使がやってきて、100人の血を浴びた手で少女の体に触れれば、人間にできると唆すのだった。
 街では、YAMAをボスとするGANG団が幅を利かせている。ボスは、どんな夢も叶えるという「天使の泪」を手に入れるべく、画策を始めている。しかし、部下の番頭や、オトリンズや、シスターズという面々も狙っている。ニッパ率いる孤児院の子供達も巻き込んで、「地図のない町」での暗闘が始まる。町にはソノ率いる強力な警官隊がいるのだ。
コ メ ン ト
シナリオ 一幕は良かったのですが、二幕がドタバタに終始したので、大混線でした。登場人物が多すぎる上に、説明を要すプロットが多すぎたようです。二幕が冗長であったため、三時間の長編に成っていました。
ボスと番頭の対立は伏せておいて、オトリンズとシスターズの融合などをすれば、流れ的にもすっきりすると思います。茶目、金太郎、テツヤの位置づけが、半端でした。
キャスト ダンス力が抜群で、演技力もあります。ダンサーを動員していましたし、子役もしっかり踊っているので、全体的な纏まりも良いです。子供達には、もっと個性付けをして欲しい感じです。
ナンバー フルコーラスの「最初の気持ち」は、シンプルであり、実に良かったです。これ一曲でお釣りが来ます。ダンスナンバーは、リズムの良いモノが多いです。
前作よりも、ソングナンバーが増えて嬉しいですが、賑やか系が多くて大変でした。さらに欲を言えば、情感が伝わってくるナンバーも1、2本欲しいです。
ステージ 両脇に階段を設けた二階ステージで、一階部分に返し扉が4枚ありました。照明を活かしたシンプルな仕上がりでした。多種多彩な衣裳を使い、カラフルで見栄え良いものが多かったです。ダンス衣裳は、落ち着きあるセクシーなモノ、ラメ入りの派手派手モノ、ユニークな警察ユニフォーム、ダーク系スーツ等がありました。長柄やナイフは、もう少し控えめな発色にしても良かったと思います。
演 技 力 谷門のハチャメチャな演技が、とても濃い印象でした。サブも良くフォローしています。木村の元気な姉御風、マイペースな演技が楽しいです。浅井は、随分と若々しい立ち回りでした。凛々しい殺陣もありました。菊地薗田の掛け合いなども面白いものの、薗田は諄すぎた印象を受けました。赤木は衣裳のせいか、慣れない役柄なのか、ぎこちない雰囲気がありました。前作は、もっと度胸があるように見えましたが・・。子役では、原口が気に入りました。
佐藤は、立ち回りが良かったものの、芝居そのものに粗さが目立ちました。粗暴さを巧く表現する研究をして欲しいと思います。
歌 唱 力 フルコーラスは立体的な配置もあって、素晴らしいハーモニーでした。これだけは、☆☆です。子供達のコーラスは、ラップ調だけに少し物足りません。石田は、綺麗な声ですが、か細く心許ないです。赤木は、前作よりも情感が不足気味であったようです。
ダ ン ス
文句なしに、素晴らしいです。殺陣は、素手も獲物も良く使っています。リアクションが大きすぎるのが気になりますが、とても迫力があるので、面白いです。シスターズによる「潜入」は、久しぶりに見る綺麗なダンスでしたが、ちょっと長かったでしょうか。吉原の気品ある踊りが良いですが、菊地の躍動感溢れる踊りも素晴らしいです。
御用だ!!」のダンスは、目を楽しませてくれました。子供達の「世界一」「ヒーロー」でのダンスも、モーションが揃っていて、楽しいです。「悪党」だけは、ステージにキャストを上げすぎていたと思います。
総合評価 本作もリメーク再演されることを望みます。シナリオの筋が良いので、冗長シーンを整理すれば、一層レベルアップすると思います。ソングナンバーが増えたことが、非常に嬉しいです。キャストが多くなるのは、この劇団の宿命なのでしょうが、少し人数は減らして欲しいです。アクションを売り物にしすぎず、芝居・歌唱などとのバランス配分も期待しています。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
劇団そら天空組
 事務局/東京都新宿区下落合3−14−16   Tel:
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