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政治の研究No.124
ヘイト・サイトを考える

 お正月番組をボケーッと眺めていましたら、インターネットを取り上げた特番がありました。そこで紹介されていたのが、ヘイト・サイト(嫌われ者サイト)です。

 今世界中には無数のインターネット・サイトがあります。そのサイトの中でも、大嘘吐きなどの理由で、嫌悪されているサイトの総称だそうです。ただ嫌われるだけなら問題はないのですが、どうやら国際的に問題視されているような社会問題サイトを指すようです。おっと、ポン太のサイトは、そこまでのスケールにありませんぜ。
 例えば、南京大虐殺は無かったとか、ホローコストは幻想だとか、そういう歴史的な大嘘を述べているサイトがそれです。またお勉強サイトを装って、誤った価値観を植え付けようとするサイトもあるそうですし、行き過ぎた政治パロディを出すようなサイトも該当するようです。さらには脱税指南とか薬物提供とか、犯罪に関わる情報サイトが話題に成っています。

 日本でも何件か問題化していますが、ネット先進国の米国では、もっと深刻な問題に発展しているそうです。デザイン性にあふれ、もっともらしい理論展開を行い、写真や文書の偽造コンテンツを掲載するなどし、全くデタラメな情報を掲載しているサイトが溢れてきています。単に、ポン太のように知識の足りない人間が嘘を書いているというレベルでなく、悪意をもって事実をねじ曲げ伝えようとするため、極めて悪質です。
 米国には、ネット上の問題サイトを発見し、その事実をプロバイダーに突きつけ、当該コンテンツの削除を要求する私的組織があります(嫌ですよね〜、私的組織による言論の弾圧)。近頃では、一種の圧力団体として市民権を得て、大手プロバイダーからヘイト・サイトやアダルト・サイトの締め出しを図りつつあるそうです。しかしながら、米国では言論の自由が認められ憲法でも明確に唱われていることから、その規制は憲法違反である旨の最高裁判決が出されています。
 また、積極的にヘイト・サイトを集めている支援者もあるそうで、政府や私的組織と激しい鍔迫り合いをしているそうです。もちろん、自らもヘイト・サイトを立ち上げており、「みんなで渡れば怖くない」方式での活動に見えます。しかし、ポン太的には、これは当然の帰結だと思います。ヘイト・サイト故に大手プロバイダから追い出されるというのは、いかがなモノでしょうか?

 事実を伝えないサイトは、子供の教育上において、宜しくない。よく言われる話ですが、私は誤りだと思います。子供に見せたくないから、見せるサイトを無くしたいというのは、親の怠慢ではないでしょうか。そんな純水培養で子供を育てるから、大きくなっても底の浅い詐欺に引っかかったり、変な宗教に嵌ったりするのです。子供のうちから、酸いも甘いも経験をさせ、表面的事実の裏側を読みとる力を養わせるべきなのです。
 嘘を並べ立てるサイトがあるのなら、それを徹底的に否定する材料を提供したサイトを用意するべきなのです。如何に、ヘイト・サイトが示す事実がデタラメであるのかを証明してみせ、事実を示すべきなのです。ヘイト・サイトはキッズページを作るなどして、教育熱心です。折を見ては宣伝を欠かさないようです。それ以上に、それを上回る規模で、事実を伝えれば良いのです。
 もちろん米国では、そういう教育も進めているそうです。ヘイト・サイトを課題として、如何にそのサイトが怪しいかを検証させるのです。そのサイトと他のサイトの情報を付き合わせたり、そのサイトが正しいと信じたくなる要因を整理させたりして、自力で真実を見つける訓練を積ませるそうです。まだまだ一部でしょうが、もっと本格的に成って欲しいです。

 近頃問題化している、アダルト・サイトの問題も同様かと思います。確かにアダルト・コンテンツの存在は、子供にとって有害でしょう。それでも、子供達が見たいと思うのであれば、それは隠してはダメだと思うのです。興味を持った対象があり、それに対する好奇心を封じることは、結果的に歪んだ虚像を持たせることに成ります。中学校で性教育授業を行うように、ネットでも親や教師が正しい教育を行えば良いのです。カルト・サイトも同様です。
 むしろ、ヘイト・サイトを題材にして、世の中の見方、巷に溢れる悪意の見分け方といったモノを、親や教師が積極的に教育していくべきだと思います。

01.01.03
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