マチネ と ソワレ

劇団関係者の会話に出てくる「マチネ」と「ソワレ」。どこかで、お聞きになったことがありますか? 「昼公演」や「夜公演」と書いてあると親切ですが、時折、不親切にもカタカナが使われています。

マチネとは?

語源はフランス語の「Matinee(マチネー)」で、「午前中」の意味です。転じて、音楽会や演劇での昼間興業を指すようになりました。実際のところは、午後に開演するものが多いため、少なくともロンドンでは「Afternoon」で代用されることが多いようです。外国人に、無用の誤解を与えないようにとの配慮でしょうか?

ソワレとは?

語源はフランス語の「Soiree(ソワレ)」で、「夜会」や「夜会服」の意味です。「舞踏会」などのパーティを指す言葉でもあります。転じて、音楽会や演劇の夜間興業を指すようになりました。別途マチネ公演がある場合は、17時開演でも「ソワレ」と呼ばれています。ブロードウェイでも、ロンドンでも、「Evening」が主流のようです。「マチネか、イブニングか」と聞かれることが多いことから考えて、「ソワレ」の発音が難しいのだと思います。

しかし、フランス語が?

でも、どうしてフランス語を使うのでしょうか。オペラといえばイタリア、ドイツ。舞踏会はオーストリア。芝居はイギリスかな?という感じですよね。なぜフランス語が使われるのかよく分かりません。ご存じの方は教えて下さい。

少なくとも演劇では他にフランス語は使っていないような気がします。英語は多く使われていますが、ほとんど日本語で済ましています。極めつけは、千秋楽公演(通称、ラクエン)でしょうか。千秋楽とは、雅楽の最後に奏でられる曲のことを意味しています(舞いは、付かないのが一般的だそうです)。興業の「最終見せ物」ということで、相撲や芝居の最後の興業でも、転用されるようになったのだそうです。

しかし、ミュージカルでも堂々と千秋楽と名乗るのは何故でしょうか。何か英語かフランス語で、良い言葉はないのでしょうか。そういえばオーラス公演とボケかましていた劇団員もいましたが・・・何かニュアンスが、ちがうなぁ。

2003.09.01修文