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政治の研究No.99
ノック は 無用?

 無事に再選を果たした横山ノック大阪府知事。本当なら財政危機で借金まみれの府政を放り投げても良かったはずですが、自ら知事を買って出たことには拍手を送りたい心境です。ご当人はコメディアン稼業に専念された方が、金にもなるし、精神的負担も少ないと思うのですがねぇ。
 しかし、すでに沈没しかかっている大阪府に取ってみれば、単なる能吏では舵取りができません。トップには府民の支持が大きいカリスマ性を持った人物が必要でした。この難時期に、再び知事が替わったのでは、財政再建も苦戦するのは間違いなかったので、失政が少なかったノック氏に留任して欲しかったことでしょう。

 ところが・・・その選挙中のセクハラ疑惑が、ノック知事の進退問題にまで発展する可能性があります。仮に乗り切ったとしても、ノック知事のイメージダウンは避けられず、内外へのカリスマ低下が心配です。発端は選挙運動中のことで、ノック氏が若いバイト運動員の女子大生にチョッカイを出したという疑惑です。この女子大生は、セクハラを受けた翌日に大阪地検に刑事告訴(普通は、まず警察に被害届を出しませんか?)し・・・対立候補を出していた某共産党にも助けを求めて話題を振りまきました。即日告訴とは、いささか手際の良さが気に掛かります。
 イメージダウンも乗り切って当選したノック氏は、女子大生を虚偽告訴容疑で逆告訴しました。さらに女子大生は、慰謝料として1,200万円の損害賠償を求める民事訴訟も提起し・・・泥沼の訴訟合戦になりました。しかし、一民間人がここまで訴訟に躍起になるのは何故なのでしょうか。ノック氏のやり方が悪質であったと見る向きも多いですが、事実関係は水掛け論の藪の中です。
 結局、ノック氏の女癖の悪さを多数の女性に証言させて勝とうという戦術(あくまで状況証拠を積み上げて有罪に持っていくのは米国的手法ですね。日本は陪審制ではないので効果は薄いはずですが、近頃はマスコミの応援団が煩くなって、判決に拘束を加えたりしています)だそうですが、いささか胡散臭いです。敗訴すれば巨額に上るであろう弁理士費用・証人手配費用の出費だけがのし掛かる以上、一介の女子大生が冒険するには無謀な感じがします(当人の実家が金持ちというのなら話は別ですが、だとすれば高邁な理想を持ってノック氏の活動に参加して裏切られた・・・とかいう構図になるのでしょうか)。

 ノック氏の発言とされる内容(事後にヴィトンのハンドバックを買ってやるとか言ったという内容など)も、関係者はノック氏らしい発言と受け止めていますが、これは公然の秘密でもある以上、知恵を付ける人間があれば勝手に創作できる内容です。しかも通常大きく吹っ掛ける慰謝料とはいえ、1,200万円とは法外な気がしないでもありません。いや「女性の貞操は男性が考える以上に尊いものです」というご意見もあるでしょう。
 しかし女性は平気で男性にセクハラをしてきますし、それでいてその行為をセクハラとは認めません(エーコさん、ミーちゃんに当てこすりでは無いですよ)。男性が女性に触れたり性的蔑視発言をすればセクハラと認定されますが、女性が男性に触れたり性的蔑視発言をしても冗談で済まされます。「そもそも男ってのはスケベばっかりで」なんていうのも、無実の男性にはセクハラなんですよ。
 離婚訴訟でもそうですが、どうしても女性側に同情意見が集まって、男性側の主張が正当であっても認められない世の中です。ノック氏には日頃から脇の甘さがあったようですし、選挙運動でストレスも溜まっていたでしょうから、疑惑の根拠となる事実関係が無かったとまでは言えませんが、親しくもない運動員にそんなに非道いことをしたのかどうか。単に藪の中の出来事だから、力で押さえつけてしまおうというほどの悪人でもないはずです。事実関係をはっきり認めて示談という手段もあったのではないかと思いますが、その余裕を与えなかった女子大生もしたたかです。世間でのバッシングを計算した上での行動と言われ、金よりも売名行為などという批判もあるようです(クリントン大統領とモニカ嬢の関係など先例がありますが・・あれは不適切な関係というレベルでした)。

 そこで民事裁判の初公判が始まりました。その第一回口頭弁論で、ノック氏側の弁護士は突然「不答弁宣言」をして白旗を掲げました。弁論の過程で次々にノック氏の女性遍歴が暴露されるのを怖れたそうですが、これにより一挙に女性側の勝訴が確定し、慰謝料1,200万円が支払われることに成ります。ある意味では、正解でしょう。女性達が主観的意見や悪い事実関係ばかりをぶちまけたら、タレント生命はともかく、政治家生命にトドメを刺されます。訴訟で事実関係の白黒をつけるという次元でありません。
 こうした戦術を考えた原告側弁護士の勝利ですが、それだけ優秀な弁護士は・・・きっと高額の報酬を要する腕利きのはず(弁護人は、なんと81人だそうです。ボランティアも多いのでしょうが、とてつもない資金が必要ですね)。それに証人を集めるのにも多額の費用が掛かる以上、果たして1,200万円でもペイするのか疑問です。ここでも何か背後関係があるように感じるのは、私だけでしょうか。
 週刊誌はノック氏側の対応を「逃げだ」と批判していますが・・・大阪府に取っては、これで一安心でしょう。今後ノック氏が辞職に追い込まれるとしても、ある程度の時間が稼げますし、ドロドロの裁判で府政が停滞するよりはマシな状況であるからです。しかし、府議会の女性議員を中心に、ノック知事のつるし上げも始まるそうで・・まだまだ混迷の度合いは深まりそうです。しかし、そんな呑気なことをしている暇が議会にもあると思えないのですが。

 以前に菅直人氏の話題でも書きましたが、政治家に完璧な人格を求めることは意味がありません。必要なことは政治的な能力と、公私混同しないだけの公正さだけです。私生活に関わる部分を追求して、肝心の政治的な能力を発揮させないことは避けなくてはいけません。知事を支持する多数の有権者の期待への裏切りです。
 選挙は人格投票でも人気投票でもありません。あくまで適任の政治家を選出することが目的なのですから、私生活問題を追究して府議会や府政を空転させることは、して欲しくありません。人格的に際立った問題があるというのなら、面倒なことをせずリコールでも提起するべきです。その代わり、すでにノック氏を選んだ有権者は、自分たちに人間を見る目がなかったことを反省して貰わなくてはダメですね。反省するつもりが無ければ、最後までノック氏を信用し支持することです。
 今回の民事裁判でノック氏の敗訴が確定した場合、時効に達していない同様の民事訴訟が連発されるかも知れません。そうなると・・・全部慰謝料を払って歩くつもりなのでしょうかね。不戦敗もよろしいですが、もう少し違った戦術を弁護士と相談するべきではなかったかと思います。地位のある人物サイドが、訴訟戦術に劣る弁護士を雇ったというのでは、笑い話にも成りません。

 さて、ノック氏。貴方はすでに李下で冠を正してしまいました。事実関係はどうあれ、他人の目がないところで若い女性と二人だけになる機会を持ってしまったことは、大きな油断です。あまりいい加減な対応をしていると、有権者や大阪府職員から「ノックは無用!」と言われてしまいますよ。貴方のカリスマに期待した人々の期待を、大きく裏切らぬように、実績を以て汚名を雪いで下さいませ。

99.10.16

補足1
 今回の「ノックは無用」というタイトルは、大阪府知事就任よりもずっと以前から在った、横山ノック氏が司会のTV番組のタイトルです。

99.10.16

補足2
 それにしても、白旗を掲げた理由を「公務多忙」としたのは、戴けません。夏休みもしっかり取得したそうですし、何よりも依然としてTV出演など芸能活動が目立つ方が問題です。公務外の所用が多い故に「公務多忙」だとすると・・・あまりに御粗末です。今回の訴訟は、自分で撒いたタネでもあることですから、優先順位は芸能活動よりも高いはずではないでしょうか。
 せめて裁判の長期化、泥試合化が「府政へのイメージ低下に繋がることを憂慮し、あえて争わない」などと名分を名乗る方が、理解も得られ易かったはずです。

99.10.17

補足3
′�20日に大阪府議会は集中審議を持ち、ノック知事の訴訟回避問題を追及しました。知事はセクハラ疑惑について「全く身におぼえがないこと」と答弁を繰り返し、訴訟回避について「知事としての職責の重さを考えれば、訴訟を回避せざるを得なかった」などと答弁しました。
 共産は問責決議提起など激しい攻勢を続けていますが、最大会派の自民党は静観しています。当初中立だった公明は、知事の答弁に反感を持ち、共産に同調の動きだそうですが、合わせても過半数は超えない模様。独立会派から、反省を求める決議というソフトなものとしようとの提案がありました。最終的には反省を求める決議の可決に終わると見られ、府議会の混乱も短期で収拾しそうです。
 大阪府議会で反省決議が出されたのは、1977年の黒田知事の政治姿勢などを批判して以来だそうです。

99.10.20

補足4
 大阪府議会は10月21日、自民党など賛成多数により「府政への信頼回復を求める決議」を可決して、ノック知事に反省を求めるに留めました。公明党と共産党が提出した問責議案は否決され、無用な府政混乱を回避することに成功しました。今後は、府民の信頼を裏切らない、公明正大な知事活動を行って欲しいと思います。

99.10.21

補足5
 少し背景が見えませんが、吹田市議会が「民事訴訟の場で真相究明を求める意見書」を提起し、全会一致で可決したそうです。女性団体や女性議員による抗議運動が広がりを見せているという背景があるようですが、公明や共産が市議会レベルで巻き返しに出たのでしょうか。しかし全会一致とは・・・府議会にも不信任を突きつける形に成るようです。

99.10.25

補足6
 原告の女子大生は、答弁拒否をしながら府議会などで「でっち上げ」発言を繰り返す知事発言に苦痛を受けたとして、請求額を1,500万円に増額した上で、ノック知事の尋問を求めることを決めて準備書面を用意するそうです。どうやら裁判は、弁護団主導で進んでいる様子で、そのバックである共産党の強い意向が働いているとのことです。あまりアザトイやり方は不味いのではないかとも思いますが、本質を見誤ると単なる政争を裁判に持ち込むことに成りかねません。
 マスメディアは格好のスキャンダル材料として知事批判を盛り上げています。一つ二つは冷静な分析を掲載しても良さそうなものですが、現在のところ風聞を中心に有ること無いことを書き連ねている記事ばかり目に付きます。

99.10.28

補足7
′�13日。大阪地裁はノック知事に1,100万円の賠償命令を下しました。判決は、その内訳を公開するという異例のもので、答弁拒否に出たことや、法定外で弁明会見をしたことなどで被告サイドに厳しい結果となりました。
 結局のところ、わいせつ行為に対する慰謝料としては200万円が相当とし、虚偽告訴(ノック知事の逆告訴)の名誉棄損行為に対する慰謝料500万円、記者会見の名誉棄損行為に対する慰謝料300万円、弁護士費用100万円(全然足りませんよね)を課し、賠償額は1,100万円とのことです。少しばかり、大掴みな数字ですが・・・。
 逆告訴行為や記者会見は違法ではないが、「真っ赤な嘘」「明かな選挙妨害」「でっち上げ」などとコメントした点が名誉棄損にあたるとした。結局は、マスメディアの話題作りのために、格好の材料を提供しただけなのですよね。

 加えて翌14日。首都機能移転に係る陳情で国土庁を訪問したノック知事を、マスメディアが取り囲んで謝罪や知事辞任を迫ったところ、知事はブチ切れて「何や、お前ら。何の取材に来てるんや」と放言したそうです。しかし、これはマスメディアの行きすぎですよね。正直に報道する姿勢は良いのですが、マスメディアもお行儀が良くないとね。

99.12.20

補足8
 ノック知事の有罪確定で、再び府議会が動きましたが、17日に拘束力のない問責決議案を決議するに留まりました。共産党の不信任決議、連合さつき会の辞職勧告決議案はいずれも賛成少数で否決された。共産党に問いたい「セクハラ訴訟の行方と知事としての人格に相関性がありますか?」。公明党に問いたい「政治的・道義的立場から、セクハラの責任を問うとは何ですか?」。
 また弁護団は知事の進退問題を含めて誠意ある対応を求めているとのことです。こちらは知事として地位のある人物が公的な場で侮辱的発言を繰り返したとのスタンスがありますが、それでも慰謝料は別途受けておいて知事の進退に言及できる立場なのでしょうか。やはり政治色が全面に出ている訴訟でした。問題を長引かせたいなら、大阪高裁へ上訴を。
 さらに大阪地検特捜部は、ノック知事の刑事処分を検討していることを明らかにしました。民事で事実を認めた形になるため、強制わいせつ容疑での告訴問題も有罪の方向に進みそうだとのことです。事実証拠が不足のため起訴は難しいとされていますが、大阪高検や最高検との協議を進めるとのことです。

99.12.18

補足9
′�20日。ノック知事は病院へ逃げ込みました。追いつめられた政治家の常套手段ですね。吹田市の病院の集中治療室へ入り、面会謝絶と言うことですが、体の良いシャットアウト。これで政治生命も終わりでしょうね。
 当初は起訴を見送る意向だった大阪地検は、マスメディアが作り上げた世論に押され、立件の方向です。サッチー事件といい、検察の弱腰は気に掛かるところです。今回は被告が事実関係を容認したという背景がありますが、あくまで訴訟で争わないとしただけのことで、検察としてどう犯罪性を認定していくのか難しいのではないでしょうか。一応は在宅起訴との方向で伝えられています。
%深夜に、ノック知事が辞意を伝えたとの報道もあり、在宅起訴ということに成れば辞任は確実なようです。元を質せば、日頃の素行を改めなかったことと、訴訟戦術を誤ったことと、政争の具に使われてしまったことでしょうが、全て身から出た錆なのですから・・・。タレントとしてはこれも肥やしになりますが、もう使いようも無いかも知れませんね。

99.12.20

補足10
′�21日午後。大阪地検はノック知事を在宅起訴しました。起訴の意志を表明してから起訴するまで、アッという間のスピード起訴でした。コメントを求められた小渕首相も、その速さに驚きの意を示しました。どうもマスメディアの圧力に弱いですね。。20日には知事室・知事公館ほかを強制捜査したそうですが、家宅捜索でどのような証拠を押さえられたのかは不明です。勇み足とか別件とか言われない公正な立件を望みます。
 これに先だつ未明に表明した辞意は、辞職届となって副知事に託され、府議会議長に提出・即時に受理されました。これによりノック知事の辞任が確定しました。在宅起訴で有罪が確定すれば公務員の地位を失うため賢明な判断ですが、結局セクハラと知事の政治責任との関係は明らかにならないまま、某共産党の望む結果になりました。
 次の関心は、新しい府知事です。すでに大阪府出身で色目を使い始めている国会議員が多いようで、マスコミ辞令では西川きよし氏・堺屋太一氏の名が上がっています。おそらく清新を売り物にする革新系候補との対決だと思われますが、保守系候補(こんな呼び方で良いのかな)が複数乱立した場合は、革新系知事の誕生もあるだけに心配です。この時期に路線転換をすることは、大阪府政にとって致命的なダメージを与えかねないからです。真偽はともかく、府政を停滞に追い込んだのは・・・誰の責任でしたっけ?

99.12.21

補足11
 職場の友人の談話をご紹介します。「結局辞職したのなら、改めて裁判を続けると良いのではないかな」とのことです。確かに事実無根であるとするのなら、とりあえず高裁へ上訴するというのも一つの選択ですね。
 慰謝料の内訳に承服できないとして上訴すれば、高裁で審理継続も図れるかも知れません。高裁はおそらく「不答弁宣言」に否があるとして、大阪地裁へ審理不十分の差し戻しを命じるでしょう。刑事での起訴は、民事での敗訴確定を前提としているはずなので、民事が継続となれば刑事は保留になるでしょう。
 もう公務が消滅した以上は、ゆっくり裁判を続ける時間があるはずです。ノック前知事、今回の事件が「でっち上げ」や「真っ赤な嘘」であったのなら、最後まで闘うべきですよ。病院に逃げ込んで、布団を被っているだけでは、問題は解決しません。なによりコメディアンとしての名折れではないですか?

99.12.22

補足12
%の府議会は、ノック知事の退職に全会一致で同意しました。同日、控訴期限切れで大阪地裁判決が確定し、ノック知事は女子大生側に賠償金を支払うことになります。また現在刑事訴追中ですが、刑事罰が確定すると退職金5,700万円を返還する義務が発生するとのことです。ただし、退職金は前1期分のものの上、刑事罰確定前の辞職のため、返還義務が生じるのかどうかは微妙です。
 しかし退職金が受け取れない場合、選挙戦で必要だった多額の借入の返済が不能になるほか、女子大生への慰謝料を含む賠償金を支払うことも厳しくなりそうです。加えて刑事罰を受けた場合のタレント活動も大幅に制限されることが予想されます。2期目の出馬が大きなマイナスを生んでしまいました。根っこはセクハラ問題という自らの不始末ですが。

99.12.27

補足13
 共産党は先の府知事選と同じ候補を選出しました。対して自民党は独自候補の絞り込みに苦戦しているようです。当初は反共産で一本化されるような方向でしたが、民主党から岩國氏が出馬意志を表明して混乱し、岩國氏は意志撤回したものの代わる候補は決まっていない模様です。今回は反与党として立ち回った公明党も微妙なようで、今度はタレント議員を担げない・・・という複雑な事情も反映されているようです。
 こうして候補選びを観ていると面白いですね。共産党は結局個人的問題を政治的問題に拡大させて、大手搦め手からノック知事の引きずり下ろしに成功したわけです。しかし今回の一連の動きでの暗躍は衆目の認めるところです。せめて候補の変更はあっても良かったのではないでしょうか。あまりにもあざとさが目立ちます。
 また岩國氏・・・結局どこでも良いのでしょうかね。政治的理念だなんだと言ってきましたが、東京都知事選への出馬などを観ていると、要するに大きな自治体の長に成りたいだけ、という俗物なんですね。今回のドタバタで、もう正面から相手にするマスメディアも減ってしまうでしょう。

99.12.27

補足14
 強制わいせつ罪で起訴された刑事事件の初公判が3月20日に開かれました。その席上では、あっさり潔白発言を撤回して全面謝罪したそうです。わいせつ行為の全てを認めるとしたものの、女子大生側の訴状をそのまま読み上げたようなもの中身であったため、選挙戦術という見方が拡がっています。要するに民事で認めた以上は、刑事で争うこと自体が無意味である上に、悪質と認定されて執行猶予が着かなくなることを警戒したようだとのことです。
 執行猶予がつけばタレントとして社会復帰は可能であり、府知事の方はすでに太田知事が選出されており、これ以上の体面で争うメリットを感じないということであるようです。結局は事実を認めたところで藪の中にしてしまいました。執行猶予月判決が出た場合、検察側が控訴するという展開もあるかも知れませんが、バックに政治問題が絡んでいる以上、裁判の長期化を好むかどうかは微妙と思われます。

00.04.08

補足15
 こんなことを書くと、また女性読者から抗議がくるでしょうね。

 東京簡易裁判所で、痴漢容疑で28日間も不当に身柄を拘束された男性の名誉回復がなりました。千葉県に住む男性会社員が、JR総武線の車内で女性を後ろから支えるような格好で下腹部を押し付けるなどの行為をしたとして、1998年1月に警視庁に逮捕されたそうです。男性は一貫して容疑を否認したものの警察が許さず、迷惑防止条例違反として起訴されました。
 東京簡易裁判所の杉山裁判官は「男性の犯行とする被害者の供述は信用できない」と延べ、男性に無罪の判決を下しました。しかし28日間も一方的な供述を鵜呑みにして不当拘置した警察って・・・? 痴女に遭ったと言っても、女性を不当拘置するようなことは無いでしょうに。わいせつな行為に及んだ警察官は問題化していますけれども。
 これと同じ事件だったのかどうか忘れましたが、電車の中で携帯電話を使って大声を出していた女性を注意した会社役員が、痴漢呼ばわりされて拘置されたというのも雑誌記事に出ていました。オヂサンにとっては受難の時代です。信用がないのですね。

00.05.03
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